令和6年度「縄文のムラづくり体験」を実施しました
三内丸山遺跡センターでは、地域住民の参画による縄文のムラづくりを通じて、三内丸山遺跡のムラの特徴や竪穴建物の構造等について理解を深め、遺跡に対する愛着と保護意識の醸成を図るため、令和5年度から縄文のムラづくり体験を実施しています。
第1回 令和6年7月27日(土曜日)
テーマ:竪穴建物を解体しよう
雨天のため、当初予定していた屋外での竪穴建物の解体作業は、残念ながら取り止めとなりました。
講義では、体験の目的を説明後、三内丸山遺跡のムラの特徴などを解説しました。その後、体験参加者は竪穴建物の現状を写真で確認しながら、建物部材の欠損や劣化の状況を観察してチェックシートに記録しました。
また、常設展示室において、竪穴建物の構造や復元方法、建物部材の名称や種類、クリ材の利用などについて学びました。
講義の様子 | チェックシート作成 | 竪穴建物の構造説明 |
第2回 令和6年9月23日(月曜日・祝日)
テーマ:竪穴建物の材料を集めよう
縄文時代の建物部材の集め方や加工方法について解説後、高校生サポーターの補助も受けながら、石斧による樹木伐採、クリの丸太割り、石錐による樹皮穿孔の体験を行い、道具の種類や使用方法についても理解を深めました。
樹木の伐採では、4つの班に分かれて協力し合って作業しました。直径10cm前後のニセアカシアを30分ほどで各班1本ずつ切り倒すことができました。丸太割りでは、木槌(きづち)と木製のクサビを使用して、繊維に沿って真っ直ぐに4~8分割することができました。樹皮の穿孔(せんこう)では、樹皮屋根として固定する際に紐などを通す穴が必要なことを説明後、作業を開始しました。参加者全員が綺麗に4か所以上穿孔することができました。
樹木の伐採 | 丸太割り | 樹皮の穿孔 |
第3回 令和6年10月6日(日曜日)
テーマ:竪穴建物を組み立てよう①
現地で竪穴建物に使用する各部材の役割を解説後、軸組(じくぐみ)の方法や垂木尻(たるきじり)の加工等について実見しながら学びました。その後、体験参加者は高校生サポーターとペアを組んで竪穴の周りに垂木を運搬・配置し、竪穴建物の構造について理解を深めました。配置した垂木は荒縄(あらなわ)で結び、しっかりと固定することができました。また、周囲の復元建物にも実際に触れながら観察し、建物の構造や屋根材の違いなどについても学びました。
作業を終える頃には、約40本の垂木が円錐(えんすい)形に綺麗に立ち並び、目に見えて建物の形に変貌しました。
垂木の運搬 | 垂木の配置 | 垂木の固定 |
第4回 令和6年10月20日(日曜日)
テーマ:竪穴建物を組み立てよう②
現地で屋根の構造や葺(ふ)き方の工夫などについて解説後、屋根材となるクリの樹皮を運搬・配置しました。配置した樹皮は、麻紐(あさひも)を使用して固定しました。樹皮の固定作業は、高校生サポーターに竪穴建物内から樹皮の穴に紐通しの補助をしてもらい、スムーズに進めることができました。
縄文時遊館に移動してからは、建物部材の固定や縄文土器の施文(せもん)などに使用する撚紐(よりひも)づくりの体験を行い、その作成技術を学びました。
屋根の構造説明 | 樹皮屋根の固定 | 撚紐の作成 |
第5回 令和6年11月3日(日曜日)
テーマ:完成イベント
9月23日の丸太割り体験における割材(わりざい)を活用して、記念にネームプレートを作成しました。
その後、縄文服に着替えた参加者は、竪穴建物内に土器や石器などの道具を並べ、作成したネームプレートを飾り付けて、ついに竪穴建物を完成させることができました。そして、自らの手で完成させた竪穴建物を観察し、居住空間の広さや縄文時代の生活の雰囲気などを体感しました。
最後には参加者全員に体験参加証を授与し、また来年度も是非参加したいとの声が寄せられました。
ネームプレート作成 | 竪穴建物の完成 | 完成記念写真 |