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発掘最前線2023年page-5666

発掘最前線2023年

第13週(8月21日~8月25日)

第1回発掘調査委員会を開催しました。

  発掘調査委員会での現地指導の様子

              (画像クリックで写真拡大)

 三内丸山遺跡の発掘調査の進め方について、専門家による検討を行うため、発掘調査委員会を8月24日に開催しました。

 第1回目となる今回は、現在までに検出された遺構等について、三内丸山遺跡の性格を検討していくためにどのようなことを検討し、どのような調査を行うべきか、委員から御指導や御助言をいただきました。今後は委員会での検討内容を踏まえ、三内丸山遺跡の解明にむけて引き続き調査を行っていきます。

第12週(8月14日~8月18日)

火山灰が検出されました。

  火山灰の検出状況

  火山灰の堆積状況

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 2トレンチで、火山灰の堆積が確認されました。確認された火山灰は、その特徴から中国と北朝鮮の国境付近に存在する「白頭山」が946年に大噴火した際に降下した火山灰と考えられます。この火山灰は元々、北海道の苫小牧で確認されていましたが、白頭山が由来であることがわかったことから「白頭山苫小牧火山灰(B-Tm)」と呼称されており、北海道西側から東北地方一帯に堆積していることが確認されています。

 発掘調査をしていると、しばしば平安時代の遺構等からB-Tmが検出されることがあります。

 こういった火山灰の堆積は、土の年代を読み解く鍵となることか

第11週(8月7日~8月10日)

ピットが検出されました。

         ピットの検出状況

         ピットの調査状況

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 縄文時代晩期の遺構がみつかっている5トレンチの西側で、ピットが検出されました。ピットとは、建物の柱を据える小さな穴です。調査の結果、ピットの直径は約50㎝、深さは約80㎝の規模であることがわかりました。また、ピットの中に堆積している土の特徴から、縄文時代のものであることが考えられます。

 みつかったピットは調査区内に1基だけですが、同じようなピットがおそらく調査区外に存在し、建物の一部を構成していたのかもしれません。

第10週(7月31日~8月4日)

溝跡が検出されました。

溝跡の検出状況

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 6トレンチの北側で、溝跡が検出されました。

 溝跡は写真にみられるように、直線的に伸び、途中で90度曲がって方向を変えています。溝の中に堆積している土の特徴から、古代以降につくられた可能性が考えられます。

 今後、溝跡の精査を行い、時期や性格を明らかにしていきます。

第9週(7月24日~7月28日)

縄文体験「発掘をしてみよう」を実施しました。

発掘体験の様子

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 三内丸山遺跡では、遺跡の価値や魅力、縄文文化に対する理解を深めることを目的として、毎年発掘体験を実施しています。参加者には、土の掘り方や発掘する際に気をつけること等を説明し実際に発掘調査で使用する道具を使って体験してもらいます。

 参加者の皆さんは真剣な表情で発掘し、土器が出土すると驚きながらも丁寧に作業していました。

第8週(7月18日~7月21日)

遺物の注記

遺物カード(左)と注記された土器片(右)

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 前回に続き。室内作業の紹介をします。しっかり土汚れを洗い流したあとは、出土した場所を記す作業である「注記」を行います。

 発掘調査現場で出土した遺物は、写真にあるように、遺物カードへ出土位置等の情報を記載して取り上げます。この遺物カードに記入された情報を遺物自体に書き込み、この情報を基にしながら遺物の復元作業を行います。

 写真の土器片は、「三内丸山遺跡の第47次調査1トレンチの2Q-129区の第Ⅲ層」から出土したものであることが記されています。

第7週(7月10日~7月14日)

雨天時の作業

土器洗いの様子

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 雨天時は屋外での作業はできないため、室内で出土遺物を洗っています。発掘調査で出土した遺物は、ブラシ等を使って表面についた土を落としていきます。土器片の中には表面が風化して脆くなっているものもあるので、強くこすると文様が見えなくなってしまいます。軽く叩くようにして汚れを落としていくのがコツです。

第6週(7月3日~7月7日)

令和5年度の発掘調査地点

令和5年度発掘調査区

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 第48次調査では、南地区でみつかった遺構の東側への分布状況について確認を進めています。

 これまでの調査によって、南の谷を挟んで北側と南側で縄文時代中期中葉~後葉の遺構が発見されています。

 今年度は遺構の広がりを確認するために6か所のトレンチを設定し調査を行っています。

第5週(6月26日~6月30日)

令和5年度発掘調査現場の公開がはじまります。

 

 

 

 

第48次発掘調査現場位置図

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 令和5年度の発掘調査は、南地区東側で実施しています。南地区では平成6年、8~10年に調査がおこなわれており、縄文時代中期中葉(約5,000年~4,800年前頃)の竪穴建物跡や貯蔵穴がみつかっています。今年度の調査は、周辺に広がる遺構の分布の把握を目的としています。

 7月3日(月)からは、発掘調査現場の公開を行います。公開期間は7月3日(月)~9月15日(金)の9~12時、13時~16時30分)です。11時からは調査担当者による最新の調査状況のガイドも行います。詳しくは発掘調査現場公開のチラシをご覧ください。

第4週(6月19日~6月23日)

遺物が出土しました。

5トレンチでみつかった遺構とみられる黒色土範囲 

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 現在精査を行っている5トレンチで、遺構とみられる黒色土の広がりがみつかりました。黒色土は直径約1.5mの大きさで、平面形は円形で、縄文時代の貯蔵穴の可能性が考えられます。

 黒色土の中からは縄文土器も出土しました。今後、この範囲を慎重に掘り下げ、精査していく予定です。

 

第3週(6月12日~6月16日)

遺物が出土しました。

 

 

 

 

   遺物出土状況

     遺物出土状況(拡大)

 

 

 土を掘り下げていくと、縄文時代と古代の遺物が出土しました。土器は三内丸山遺跡に大集落が築かれた縄文時代前期(5,900年前)、中期(5,300年前)の他、縄文時代後期(4,200年前)、晩期(3,00年前)と平安時代の土師器、須恵器なども出土しました。

 第48次調査でも同時代の生活痕跡がみつかる可能性があります。

第2週(6月5日~6月9日)

遺構確認作業を行っています。

     遺構確認作業の様子

              (画像クリックで写真拡大)

 今年度の発掘調査区の周辺では、過去の調査で縄文時代中期の竪穴建物跡や土坑墓等が発見されています。

 発掘調査では一度にまとめて土を掘り下げる事はせず、周囲の土の色や混入物の特徴を見ながら移植ゴテ等を使って慎重に掘り下げていきます。

第1週(6月1日~6月2日)

第48次発掘調査を開始しました。

  遺構確認作業の様子

              (画像クリックで写真拡大)

 今年度の発掘調査は、南地区の東側で実施します。この周辺では過去の調査で竪穴建物の他、貯蔵穴やお墓がみつかっています。今回の調査は、この集落が東側へどのように広がるのかを確認します。

 初日は調査環境の整備をした後に、遺構確認作業を行いました。

 発掘調査現場は7月上旬~9月中旬にかけて、公開する予定です。