INFO
三内丸山遺跡についてabout

発掘最前線2019年

2019年10月25日 (金) 第24週目

今年度の発掘調査が終了しました

 

埋め戻しの様子

(画像クリックで写真拡大)

 

 発掘調査終了に伴い、調査区の埋め戻しを行いました。遺構が確認された面に保護のための砂を入れ、その上に、これまでの調査で掘った土を被せました。

 今年度の現場公開には、738名の方にお越しいただきました。調査成果については3月に開催予定の遺跡報告会で発表予定ですので、ぜひお越しください。

 なお、今年度の発掘最前線は今回で終了となります。これまでご覧いただきありがとうございました。

 

 

2019年10月15日 (火) 第23週目

遺構の壁面が確認されました

 

遺構壁面(赤い点線)と焼土・炭化物の出土状況

(画像クリックで写真拡大)

 第21週目でお伝えした焼土と炭化物の広がりについて、どのような遺構に伴うのかを探るために調査区を拡張して掘り下げたところ、高さ約30cmの遺構の壁面が確認されました。焼土の一部を掘り下げたところ、下から床面とみられる硬い平らな面が確認できたため、この遺構は焼けた竪穴建物跡である可能性が高いことが分かりました。また、焼土と炭化物の範囲がさらに広がることや、焼土の下に太さの違うストロー状の炭化物が重なっていることなども分かりました。

 遺構の年代については、取り上げた炭化物の年代測定等を行い、詳細を明らかにしたいと考えています。

 

 

2019年10月7日 (月) 第22週目

溝状遺構が西側に続くことを確認しました

 

溝状遺構の範囲

(画像クリックで写真拡大)

 昨年度から調査を続けている溝状遺構は、地面を溝状に浅く掘り込み、その溝に併行するように両側に細い溝が延びることが分かっていました。今年度は昨年度よりも西側に調査区を設定し、溝状遺構が続くかどうかを調べました。その結果、両側の細い溝の続きが確認され、南側に延びることが分かりました。また、溝状遺構が約4mの幅であることも確認しました。

 

 

2019年10月1日 (火) 第21週目

炭化物の出土範囲が広がりました

 

炭化物出土の様子

(画像クリックで写真拡大)

 18週目でお伝えした焼土と炭化物の広がりについて、ストロー状の炭化物の周りの焼土を掘り下げたところ、下から新たに炭化物が出土しました(写真奥)。今回出土した炭化物もストロー状で、以前出土した写真手前のものより太く、一定方向に並んでいました。出土地点がどのような遺構であったのか、いつの時代のものなのか、今後も調査を行っていきます。

 

 

2019年9月22日 (日) 第20週目

第43次発掘調査現地説明会を開催しました

 

現地指導の様子

(画像クリックで写真拡大)

 今年度の発掘調査現場で、実際の遺構や遺物の出土状況を見学していただきました。また、出土遺物の展示も行いました。現場公開の最終日となった当日は、約100名の方々にお越しいただきました。公開期間中、たくさんのご来場ありがとうございました。

 

 

2019年9月19日 (木) 第19週目

令和元年度第2回三内丸山遺跡発掘調査委員会を開催しました

 

現地指導の様子

(画像クリックで写真拡大)

 第1回委員会での指導・助言を受けて進めてきた発掘調査の成果について、現地を見ながらご指導いただきました。また、今後の調査についてのご意見もいただきました。

今回の指導を受け、より充実した成果が得られるように10月まで調査を行っていきます。

 

 

2019年9月9日 (月) 第18週目

炭化物と焼土の広がりを確認しました

 

炭化物と焼土の出土状況

(画像クリックで写真拡大)

 北側斜面際の調査区を掘り下げたところ、炭化物と焼土の広がりを確認しました。炭化物は細いストロー状の植物が一定方向にまとまり束のようになっています。炭化物の範囲は周辺にも広がると思われ、現在確認しています。ストロー状の炭化物の材質は、時代も含め、詳しく分析しないと分かりませんが、萱や笹の可能性が考えられます。

 

 

2019年9月2日 (月) 第17週目

現地説明会を開催します!

 

柱穴検出の様子

(画像クリックで写真拡大)

 来たる9/22(日)・23(月・祝)に第43次発掘調査の今年度最後となる現地説明会を開催します。

 今年度は、遺跡北側の盛土の範囲やその周りの遺構の広がりなどについて調査しています。これらの調査成果について、担当職員が詳しく説明します。遺跡内旧展示室エントランスでは、出土遺物の展示も行います。

 受付場所は大型掘立柱建物跡(大ドーム)の近くで、1回目が10:30から、2回目が14:00からの開始です。案内開始時間の30分前から受付を行います。なお、荒天の場合は、時遊館で出土品の展示を行います。

 9/21(土)~23(月・祝)の「さんまるJOMONの日」は、遺跡とさんまるミュージアム等が無料、秋季特別展「発掘された日本列島2019」は割引料金でご覧いただけます。皆様のお越しをお待ちしています。

 

 

2019年8月26日 (月) 第16週目

遺物包含層の調査をしています

 

遺物包含層断面の様子(高さ約40cm、写真左側が北)

(画像クリックで写真拡大)

 北側斜面の遺物包含層(縄文人が生活していく中で堆積した層)を掘り下げ、堆積状況を確認しています。写真は縄文時代中期の遺物包含層の断面で、黄色や黒色の土が薄く平坦に堆積していることがわかります(白いラベルをつけた部分)。これは、縄文人が他の場所で掘った土を捨てたものです。写真左側にみえる黒色の土は遺物包含層が近代に削られた部分に盛られたものなので、元の遺物包含層は今より北側に広がっていたものと考えられます。

 

 

2019年8月19日 (月) 第15週目

北側調査区で埋設土器を調査しています

 

 

上:埋設土器出土の様子

下:櫛目状の模様がみられる土器片

(画像クリックで写真拡大)

 写真は土器の上に溜まった土を取り除いた状況です。土器の破片が片側に偏っていることから、穴の中に埋められた後、いつかの段階で潰れたことがわかりました。土器は縄文時代中期後葉(約4300年前)のものと考えられ、この時期には珍しく、表面に櫛目状の模様がみられます。

 

 

2019年8月5日 (月) 第13週目

遺跡北側斜面を調査しています

 

 

遺物出土の様子

(画像クリックで写真拡大)

 調査区を掘り下げていると、土器や割れた石器などの遺物がまとまって出土しました。土器の表面には沈線(棒などを使って描いた模様)がみられることから、縄文時代中期後葉(約44004300前)のものと考えられます。割れた石器には焼けた痕もみられます。

 この周辺には、遺物包含層が広がっている可能性があります。

 

 

2019年7月29日 (月) 第12週目

埋設土器を確認しました

 

 

埋設土器確認状況(赤く囲った中に土器が埋められています)

(画像クリックで写真拡大)

 大型掘立柱建物跡の北側の調査区で、埋設土器を2基確認しました。埋設土器は、土器とほぼ同じ大きさの穴に納められた土器で、他の遺跡では幼児の骨が見つかっている例があることから、子供の墓と考えられています。付近でもこれまでに数基確認されています。

 今回確認した埋設土器は、遺物包含層を掘って埋められていることから、今後の調査でこれらの土器の時期がわかれば、遺物包含層のおおよその時期が判明することが期待されます。

 

 

2019年7月23日(火) 第11週目

柱穴を調査しました

 

柱穴の土層断面の状況です

(画像クリックで写真拡大)

 確認した遺構を半分掘って土の堆積状況を観察しました。

 黒い土の部分は上から下まで続いていて、穴の壁際には灰色の土がみられました。黒い土には柱がたてられ、灰色の土は柱を固定するために周りに詰め込まれた可能性があります。

 この一帯でどのような建物があったのか、今後も調査を進めていきます。

 

 

2019年7月19日 (金) 第10週目

確認した遺構の調査を始めました

 

半分は残して掘り始めました

(画像クリックで写真拡大)

 今年度調査区の東側で、写真のような、灰色で粘土質の土の範囲と、黒い土が目玉のようにみられる範囲を確認しました。

 人為的に掘られたものと考えられることから、詳しい情報を得るために、調査を進めています

 

 

2019年7月11日 (木) 第9週目

新たな地点を調査しています

 

 

遺構(の部分)を確認した状況(赤丸内では土器が出土しています)

(画像クリックで写真拡大)

 7月に入り、新たな地点の調査を始めました。表土を除去し、慎重に遺構を探していると、白い粘土層の中に茶色や焦げ茶色の小さく丸い範囲を見つけることができました。この範囲内の土には小さな炭粒や土器等が混じっており、これまでの調査所見から縄文時代に埋められた土であると考えられます。  これらが柱などを据えた穴なのかどうか、今後も調査を進めていきます。

 

 

2019年7月2日 (火) 第8週目

発掘調査現場の公開を始めました!

 

 

発掘担当職員による現場ガイド初日の様子

(画像クリックで写真拡大)

 平日の午前9時~12時と午後13時~17時に発掘調査の様子を近くで見学することができます。午前11時からは、発掘調査担当職員が、今年度の調査について説明します。

 現場公開は9月23日(月)までの期間です。公開日を変更する場合もあるので、詳細については、ホームページで御確認ください。皆様のお越しをお待ちしております。

 

 

2019年6月25日 (火) 第7週目

北側斜面の状況がわかりました

 

 

調査区の様子

(画像クリックで写真拡大)

 北側斜面では、平成4・5年度の第6鉄塔地区調査時に確認されていた縄文時代中期の遺物包含層(土器などの遺物がまとまって出土する層)が東側に続くかどうかについて調査しました。この結果、第6鉄塔地区で確認された遺物包含層と同様に縄文時代中期中葉~後葉の土器が出土する遺物包含層を確認しました。

 今後は、周辺の状況を調査する予定です。

 

 

2019年6月18日 (火) 第6週目

令和元年度第1回発掘調査委員会を開催しました

 

 

調査状況を説明する様子

(画像クリックで写真拡大)

 三内丸山遺跡に関する調査は、考古学や植物学の専門家からなる発掘調査委員会での検討に基づいて実施しています。

 今年度の第1回委員会では、発掘現場で調査状況を説明し、委員の方々から今後の調査の方針等について、御指導をいただきました。

 今回の指導を受け、より良い成果が得られるように調査を続けていきたいと思います。

 

 

2019年6月10日 (月) 第5週目

溝状遺構の調査を進めています

上:サブトレンチ内を掘り進めている様子

下:昨年度の調査で確認された溝状遺構の断面

(画像クリックで写真拡大)

 昨年度の調査において、縄文時代の溝状遺構が近くの沢地形(小さな川のような場所)に向かって伸びている状況について、今年度は溝状遺構と沢の関係を確認しています。

 現在はサブトレンチと呼ばれる調査のために設定した細い溝の中を、土の色や質を観察しながら掘り進めています。

 

 

2019年6月3日 (月) 第4週目

調査区西側の調査も本格的に始まりました

 

調査区の表土を掘削している様子

(画像クリックで写真拡大)

 調査区西側では、沢地形と付近の遺構との関係について調査しています。

特に、昨年度の調査で確認された溝状遺構が沢地形とどのようにつながっているのか詳しく調べていく予定です。

 

 

2019年5月27日 (月) 第3週目

遺構を測量しています

 

遺構を測量している様子

(画像クリックで写真拡大)

 調査区内で平面的に確認した遺構の輪郭を明らかにするため、機器(写真右)を用いて測量しています。機器から、写真左の人が持っているミラーへの距離や角度の情報がパソコン(左の人が持っている)に表示され、その場で確認することができます。これにより、遺構の位置関係や地面の高低差などを正確に記録していきます。

 

 

2019年5月20日 (月) 第2週目

遺構を探す作業を行っています

遺構を探している様子

(画像クリックで写真拡大)

 調査区内で遺構を探す作業(検出)を行っています。

 移植ゴテを使って土を平らにならしていきます。

 表面をきれいにすることによって、土の中に埋まっている遺構の形が現れてきます。

 現在までに土坑や柱穴などが多数見つかっています。

 

 

2019年5月15日 (水) 第1週目

調査地点の表土を除去しました

 

表土を掘り下げている様子

(画像クリックで写真拡大)

 調査地点の表土を、重機と人力で慎重に掘り下げました。すでに土器などの遺物が出土した箇所もあり、今後の調査が楽しみです。

 

 

2019年5月13日 (月)

三内丸山遺跡第43次発掘調査が始まりました

調査区を整備している様子

(画像クリックで写真拡大)

 特別史跡三内丸山遺跡の今年度(第43次)の調査は、第42次調査で確認された北端部の盛土の範囲や、その西側の遺構や遺物の分布を調べることなどを主な目的にしています。2019年5月13日(月)から10月25日(金)まで実施する予定です。

 調査初日には、恒例の発掘調査開始式の後、調査区の整備などを行いました。
 7月上旬からは発掘調査の現場を公開し、発掘調査担当者による現場ガイドを行う予定です(調査実施日のみ)。みなさんのお越しをお待ちしております。