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三内丸山遺跡についてabout

発掘最前線2024年

第18週(9月30日~10月4日)

土坑墓の調査をすすめています。

遺構の半分を掘り下げたようす

 第1137号土坑の調査をすすめています。

 遺構の上部で出土した炭化物を残しながら、遺構の半分程度を掘り下げました。周囲で検出されている土坑墓と異なり、褐色の粘質土が墓坑の埋め戻しに使われていました。この粘質土はとても硬く、掘ると手が痛くなるような土です。

 調査の結果、第1137号土坑の内部には壁溝がつくられている事を確認しました。

第17週(9月24日~9月27日)

土坑墓の調査をすすめています。

第1137号土坑の調査のようす

(白線内が炭化物)

出土した炭化物のようす

 Aトレンチの第1137号土坑の調査をすすめています。この土坑は長さが約140㎝、幅が約70㎝です。遺構に堆積している土は、他の土坑墓に比べて硬く締まっています。調査を進めたところ、遺構の上部から炭化物が出土しました。炭化物は板のような状態で、木目が一定の方向に揃うことがわかりました。この炭化物がいつ頃のものなのか、材質は何なのか、土坑墓とどのような関係があるのかを検討していきます。

 この他に、第1137号土坑からは縄文時代中期の土器片が出土しています。

第16週(9月17日~9月20日)

第49次調査現地説明会を開催しました。

遺跡見学会のようす

 9月14日~16日に第49次発掘調査現場で現地説明会を開催し、これまでの調査の成果を説明しました。3日間で合計260名の皆様に御参加いただきました。なお、7月1日から実施しておりました現場ガイドは9月13日をもちまして終了いたしました。合計で946名の皆様に御参加いただきました。

 今後の調査については、三内丸山遺跡のホームページで公開するほか、3月上旬の遺跡報告会で成果を報告する予定です。

第15週(9月9日~9月13日)

道路跡東側の調査をすすめています。

土層が縞状に堆積しているようす

 Dトレンチの北西端にサブトレンチを設定し、どのような土が堆積しているか調査を行いました。その結果、南の谷のある東側へむかって土が堆積している様子が確認されました。

 写真の→方向へ縞状に堆積しています。土の中からは土器や石器がわずかに出土しています。

 この土はいつ頃この場所に堆積したものなのか、出土した遺物や年代測定で検討していきます。

第14週(9月2日~9月6日)

土坑墓の精査をすすめています。

第1099号土坑の周溝と炭化材のようす

 Aトレンチの第1099号土坑の精査をすすめていたところ、土坑墓の底面に周溝がつくられていることがわかりました。周溝は、墓の壁際につくられた溝のことで、過去の調査では、周溝内から炭化材がみつかっていることから、木製の板が設置された可能性が考えられています。現在精査を行っている第1099号土坑も周溝の直上から炭化材が検出されました。精査をすすめるとともに、炭化材の年代測定や樹種同定等の分析を行い、墓の年代や構造に迫っていく予定です。

第13週(8月26日~8月30日)

Bトレンチで遺物が出土しはじめました。

遺物が出土しているようす

 今回の調査で最も北側に設定したBトレンチでは、土器片や石器が出土しはじめました。当地点は平成10~13年の調査で、西盛土の東端付近にあたることがわかっています。現段階ではまだ盛土の様相は見られませんが、出土した土器の年代や土層の内容を調べ、Bトレンチまで西盛土の範囲がひろがる可能性がないか調査を進めていきます。

第11・12週(8月13日~8月23日)

令和6年度第1回発掘調査委員会を開催しました。

発掘調査委員会での現地指導のようす

 三内丸山遺跡では、専門家から指導・助言を得るため、8月20日に発掘調査委員会を開催しました。

 現在までに検出した遺構の調査状況をご覧いただき、土坑墓の形や構造についての発掘調査の進め方・御助言をいただきました。

 今後も、委員会で検討した内容を踏まえ、三内丸山遺跡の解明にむけて引き続き発掘調査を行っていきます。

第10週(8月5日~8月9日)

石製品が出土しました。

出土した石製品頭頂部の線刻

 人面とみられる石製品が出土しました。口の部分から下は欠けていますが、全体を磨いて形が整えられ、眉と鼻はY字状に表現し、目と口は丸い凹みで表現しています。耳にあたる部分には穴が空けられ、頭頂部には浅い線刻があります。

 鼻と考えられる部分は先端が丸く表現され、細かいところまでこだわってつくられています。

 石製品は縄文時代中期(5,300~4,400年前頃)にあたる層から出土しました。

第9週(7月29日~8月2日)

第2号道路の東側を調査しています。

褐色土が堆積しているようす

 縄文時代の道路跡の東側にあたるC・Dトレンチでは、土坑墓等の分布を確認するために調査をおこなっています。Cトレンチの東側では炭化物や焼骨片等を含んだ褐色の土が見えてきました。この褐色の土には、土器や石器が多く含まれており、縄文時代の人たちが生活の道具と共に、道路や土坑墓を掘削した土をこの場所に捨てたのかもしれません。今後、出土した土器の年代を調べて、この土が捨てられた時期を確認します。

第8週(7月22日~7月26日)

さんまる縄文体験「発掘をしてみよう」を実施しました

発掘体験のようす

 三内丸山遺跡では、遺跡の価値や魅力についての理解を深めるため、体験学習を実施しています。

 「発掘をしてみよう」では、掘り方や道具の使い方等、発掘調査の際に気をつけることを学び、実際に発掘を行いました。

 参加者の皆さんは真剣な表情で丁寧に発掘調査を体験し、約4,800年前の土器や石器が出土すると驚きながらも、「ここに人が住んでいたんだ」と感動していました。

第7週(7月16日~7月19日)

遺構の確認を行っています

平安時代平安時代以降の溝跡が検出されたようす

 Aトレンチでは、遺構の検出作業を行っています。平成10~13年の調査では土坑墓が多数みつかっており、一定の範囲に墓がくり返しつくられていることも確認されています。

 また、以前の調査では平安時代以降につくられた溝跡が確認されていました。縄文時代の土坑墓と重なってつくられていることから、今後は溝跡を調査し、土坑墓の規模等を確かめ、構造やつくられた時期に迫る予定です。

第6週(7月8日~7月12日)

C地点の調査がはじまりました

C地点の保護盛土除去が終了した様子

 C地点の調査を開始しました。ここでは道路跡の東側での土坑墓の有無を確認する目的で調査を行います。

 保護盛土の除去が終わり、そこから5㎝程度掘り下げると縄文時代の地層から土器片や石器が出土しはじめました。

第5週(7月1日~7月5日)

発掘調査現場公開とガイドを開始しました

現場ガイドの様子

 7月1日から発掘調査の現場公開と担当者によるガイドを開始しました。発掘調査の様子を間近で見学することができます。現在、Aトレンチでは土坑墓の上に大きな石が置かれた状態を見ることができます。三内丸山遺跡では環状配石墓と土坑墓を立体表示していますが、道路跡に沿って並ぶ様子は今しか見ることができません。

 11時からは第49次発掘調査のガイドを行います。ぜひ発掘調査現場へ足をお運びください。

第4週(6月24日~6月28日)

土坑墓がみえてきました

土のうによる養生を外した様子

 

 遺構の保護を目的に設置されていた土のうの除去が終わり、過去の発掘調査でみつかっていた土坑墓(大人の墓)がみえてきました。

 この調査区では斜面に土坑墓がつくられており、墓の上には80㎝を超える大きな石や、30㎝程度の石を何個か組み合わせて設置されている様子が確認できます。

第3週(6月17日~6月21日)

第49次発掘調査地点と目的

土のうで遺構を保護している様子

 

土のうを除去した様子

 

 平成10~13年度に検出された遺構は、出土した遺物が動かないように調査終了時に土のうで周囲を保護しています。

 今週は、保護土のうを慎重に外し、再び遺構を検出しました。

 今後、これらの遺構について詳細な時期や構造を調査していきます。

 令和6年7月1日からは現場ガイドを開始します。午前11時から15分程度、発掘調査現場の最新の情報をお伝えします。是非、三内丸山遺跡へ足をお運びください。

 

第2週(6月10日~6月14日)

第49次発掘調査地点と目的

赤:第49次調査地点

黄:平成10~13年度調査地点

青:第2号道路跡

 

 6月3日から開始した第49次調査は、第2号道路跡の北端周辺を調査します。三内丸山遺跡では道路跡が4か所みつかっています。いずれも道路に沿って複数の墓が並ぶことが確認されています。

 第2号道路跡と「列状墓」は平成10~13年度の調査でみつかっており、道路跡の北側は集落の中心部へのびています。道路跡の北端では掘立柱建物跡がみつかっており、墓列はどこまで延びているのか、道路跡の両側に墓はつくられているのかを確認します。また、平成10~13年度にみつかった墓の詳細な年代や構造の確認を目的とした調査も実施します。

第1週(6月3日~6月7日)

第49次調査を開始しました

保護盛土と過去の埋め戻し土

 

埋め戻し土の下の砂

 

 今年度は、6月3日から10月31日までの期間で、第2号道路跡北端周辺で発掘調査を行います。

 第2号道路跡は平成10~13年度の調査で発見されており、道路の西側には墓が並ぶことが確認されました。

 今年度は、見つかった墓の年代や詳しい構造を調査する予定です。

 調査にあたり、重機で遺跡を保護している盛土の掘削を行った後に、過去の調査の埋め戻し土を除去するところから開始しました。

 黄色い土が遺跡を保護するための盛土、その下の黒色土は過去の調査の埋め戻し土です。さらに埋め戻し土の下から、遺構を保護するための砂がみつかっています。

 なお、7月初旬から9月中旬の期間で調査担当者による発掘調査現場ガイドを予定しています。